代表の北原です。
弊社内で日々大活躍しているさまざまな道具の中でも、特に開発者の方へお勧めしたい一品をご紹介します。
好みのISOイメージファイルを、仮想光学トライブとしてマウントするためのドライブ・ケースです。
ZALMAN社といえば、私個人的には「自作ユーザー向けのケースやファンを作っているメーカー」でしたが、こんな便利な製品も販売しています。かつてはBUFFALO社も、イメージファイルのマウントに対応した外付けハードディスク製品を販売していましたが、何故か短命でした。このVE-200 SEは2.5インチハードディスク/SSD用のケースでしかありませんので、それらのストレージは別途用意する必要がありますが、任意でサイズを選べるわけですから、むしろ都合が良いですね。
弊社では、お客様のクライアントPCをお預かりしに在庫、入社や異動にあわせて出荷するキッティング・サービスを展開しております。「ハコを空けて電源を入れればすぐに使える」を目指したサービスです。このサービスに今や必須となっているのには、リカバリ作業の大幅な時間削減にあります。
この製品と出会うまでISOイメージファイルの扱いといえば、そのイメージからブートしなくてはならないOSの場合は特に、都度CDやDVDにライティングしていました。それが一度きりの利用なのか、それとも恒久的に保存しておきたいものなのかによって、-Rか-RWかを使い分けていました。しかし如何せんこれらの光学メディアにライティングするのには、ハードディスクやフラッシュメディアへのコピーに比べてとにかく時間がかかります。そこで、利用頻度の高い光学メディアをあらかじめISOイメージ化してこのドライブに保存しておくことで仮想光学ドライブとしてマウント出来るよう、この製品を導入しました。
ちょっと分かりづらいでしょうかね…、実際の使用感を書いてみます。
ハードディスクやSSDをこのケースに組み込む工程は略します。外付けディスクとして使用出来る状態からになりますが、ドライブをNTFSでフォーマットして、直下に「_ISO」フォルダを作成します。そのフォルダへ、任意のISOイメージを保存します。
準備は以上です(笑)
あとは本体側面のジョグ・ダイヤルでイメージを切り替えます。ファイル名がそのまま液晶に表示されるので、ジョグを押せば仮想光学ドライブの出来上がり。
ISOファイルの名前は任意のわかりやすい名称に変更しておくことをお勧めします。今回は、Microsoft Office 2010 SP1のISOをマウントしてみました。
ジョグを垂直に押すと「◎」のマークが点灯し、
「コンピュータ」上に光学ドライブとしてマウントされます。お見事。
Windows上に限らず、電源投入直後に起動ドライブを選択することも可能。
ちなみにMacで使用する場合、ドライブそのものをNTFSでファーマットしていると例外を除き書き込みが出来ませんが、マウントした仮想ドライブを読み込むことは問題なく行えます。これはLinuxでも同様で、OSには依存しません。OS問わず外付けドライブとして使用したい場合はFAT32でフォーマットしておくことで可能かも知れませんが、1ファイル当たりの最大サイズが約2GBまでの制約があるので、あまりお勧め出来ません。
このZALMAN VEシリーズは今回ご紹介したUSB2.0バージョンの他、USB3.0や、暗号化に対応したバージョンも用意されています。弊社ではドライバの相性を考慮して、敢えてUSB2.0仕様のVE-200 SEを採用しております。
また、ポートは(今のところあまり使う機会が無い)eSATAとUSB2.0、ポートではありませんが、書き込み禁止のスイッチが付いています。実はこれが便利で、普段はISOを保存した後極力このスイッチで書き込みを禁止にしています。Windowsのインストールですと、このドライブそのものがインストール先のドライブとしても表示されてしまうので、誤って削除してしまうことがあります。これを防止できる意味ともう1点、このドライブ経由でのウィルス感染を起こさないように対策できる、という点です。後者のメリットはとても大きいです。
今回は、クライアントPCのリカバリ作業に活躍している弊社の例を取り上げましたが、冒頭に「開発者の方へお勧め」と書きました通り、Linuxベースのテスト環境を複数行き来することが多いシーンには正に打って付けです。数GBのISOイメージをダウンロードして、DVDに焼いて、の作業から開放されますよ!
2014年7月14日 追記:
ZM-VE200は終息、USB3.0に対応したZM-VE300、または暗号化に対応した ZM-VE400が後継製品となります。
2014年12月1日 追記:
同社の国内代理店様であるアスク社より、以下の発表がありました。
Zalman Tech Co., Ltd.に関するお知らせ
http://www.ask-corp.jp/news/2014/11/zalman-tech.html
本拠地韓国内に於いて民事再生法を適用したとのことで、今後製品の入手が難しくなるかも知れません。
しかしながら、もともとこれらの製品は同じ韓国国内のIODD社よりOEM供給された製品になりますので、国内代理店のサポートは受けられず入手のハードルが高くなってしまうことに変わりありませんが、Amazon.com、ebay.comなどからの個人輸入によって入手が可能な模様です。
Iodd 2531 → Zalman ZM-VE300 に相当
Iodd 2541 → Zalman ZM-VE400 に相当
あまり選択肢がない製品なだけに、いざとなれば入手が可能と分かったことで安堵している北原です…
2015年12月1日 追記:
国内代理店のリンクスインターナショナル様より、USB3.0に対応したZM-VE300の後継機種であるZM-VE350の情報が掲載されました。
株式会社リンクスインターナショナル様 / ZM-VE350
https://www.links.co.jp/item/zm-ve350/
Zalman社 / ZM-VE350
http://www.zalman.com/global/product/Product_Read.php?Idx=965
会社そのものの存続が危ぶまれておりましたが、この後継機種と複数の新製品がリリースされたようです。
ちなみに弊社内で活躍中のZM-VE200ですが、つい先日2つあるうち一つが壊れてしまったところでした。めでたく(!?)買い換えの機会にしたいと思います。
zalman社のwebには、VE500の情報が載っています!楽しみですね!(^^)